ネット世界の興亡ものは、いつの時代も面白い。
過去には、ネットスケープとマイクロソフトの戦いや、
コンピュータ産業の戦いを描いたものも多い。
いづれも、テクノロジーによる世界構造の変革を感じること
ができて、同時代で共感、経験できる楽しさ、よろこびを
感じることができるからかもしれません。
さて、本書は、グーグルが確立し覇権を築いた、Webの世界(検索ポータル
という驚愕の世界)と、その検索、ポータルという門を通過しない世界、
すなわち、ソーシャルネットのフェイスブックと、閉じた生態系で大成功を
収めたアップルという三つ巴(とtwitter)の覇権の戦いを、その歴史的経緯と、
技術的戦略を巧妙に整理し、読み解いた良書です。
興味深いのは、オープンなネットのトラフィックの発生点が、検索ポータル
から、仮想的な人とのつながりに移行していること。これは言い方を
変えれば、世間のさらしものになってしまう、オープン世界と、友人でつながる
一種のコミュニティ世界というゆるくクローズドな世界と、世界のユーザは
どちらを選択するか、というゲームでもあるということ。
トピックはうまく整理され、テーマは巧みに構成されており、
読みやすいわりには、最前線で、何が、なぜ起こっているかを
端的に知ることができて、便利でもあり、有意義でもあるい一冊です。