タイトルは「Google経済学」。果たして読者の多くはこのタイトルからどんな内容をイメージするのでしょうか。
私は頁を繰り始める前に、「Googleを徹底的に使いこなすと難解な経済学もすっきり理解できるようになる」ことを説いた書だと一人勝手に解釈していました。
しかし、実際はさにあらず、です。
本書は、「サブプライムローン」や「少子高齢化」、「低金利時代」や「食糧危機」といった最近の世界と日本の経済動向を簡単に解説しようというのが主眼であって、Googleはせいぜいその検索機能をちょっと拝借して関連サイトやニュース記事を調べて引用してみました、という程度の軽い扱いでしか登場しません。Googleの検索機能程度のことは、最近のネットユーザーにとっては既に釈迦に説法の域です。もう少し高機能の、例えばGoogleファイナンスを使いこなすとかいった類いの、あまり知られていないGoogle裏技を紹介するといったことは全く登場しません。
となると主眼である経済動向の解説はどの程度のものかというのが気になるところですが、これも普段から日刊紙の経済面に目を通すことができている読者には言わずもがなのレベルのことしか書かれていません。
さらにWikipediaのことを「ビジネスマンとして数字力や仮説力を高めたいときに、もってこいのサイトです」(141頁)とほめそやすのは、いかがなものでしょうか。Wikiに伴う危うさも考慮するならば、巨額な資金を扱うかもしれないビジネスマンたちに推奨するには少なからず無邪気すぎる書き方であるような気がしました。
私は常日頃からGoogleに関する書籍には強い関心を持っているうえ、本書には多くのレビュアーが高い評価をつけているので、どんなものかと手にしたのですが、期待しただけのものは得られませんでした。