全編にわたってタバコの煙とともに、スクリーンをたゆたう様に流れるジャズの名曲が、スタイリッシュで過激な演出を抑えた、ジョージ・クルーニーの監督としての姿勢と見事にマッチング。
過去の名曲を、当時の歌手に扮して登場する、ダイアン・リーブスの歌い方も、奇をてらわず、基本に忠実な歌唱法で、映画の進行を影から支える、「巧みな脇役」に徹している。しかし、彼女なりに、『SWEETな解釈』を加えてくれている。そして、役者、音楽、ストーリーが互いを邪魔しないよう、上品に調和した作品として成立していて新鮮。
派手好き、デフォルメ好きなアメリカ人らしからぬ演出である。おそらく監督としてのクルーニーの人柄、この映画に対する思い入れが、そうさせているのだろう。
日本での映画の上映は、まだまだ先だが、予備知識がないと雰囲気だけに酔ってしまって、映画の本質を見落としてしまう可能性があるので、今のうちから、サントラや本などで、予習が必要でしょう。
エド・マーローにたいする事前の情報収集とともに。
でないと、ダイアンの声と煙草の煙のきれいさだけに惑わされて、この映画の本質を、見落としてしまうかもしれないですよ。
7曲目の『You’re Driving Me Crazy』で、まずは聞き込んでみてください。映画が楽しみになるはずです。