情念の男、孤高のディープ・ソウル・シンガー、ワン&オンリーのスペンサー・ウィギンスの単独CDがようやくリイシューされた。英Ace社がGoldwax音源の権利を獲得してジェイムス・カーやオヴェイションズのCDを再発し、日本の多くのソウル・ファンが待ち侘びていたのだから、メデタイ限りだ!
日本では以前ヴィヴィッドがLP/CD化を進めたGoldwaxのディープ・ソウルも今はすっかり廃盤で、たまに中古市やネット・オークションで4800円とかの値段で見かけるくらいだったこれらの音源がちゃんとした形でまた買えるのは本当にメデタイ。アメリカ南部の最高のソウル・ミュージックをこれからのリスナーも手軽に聴けるわけだ。
内容はといえば、もう魂に揺さぶりをかける至宝のサザン・ソウル作品がズラリ。Take Me, Uptight Good Woman, I'll Be True You等等、悶絶のソウル・バラードの嵐。ノリノリのSoul City USAや、ブルース・ナンバーLover's Crime, Sweet Sixteenも熱いけど、やはりバラードが聴く者の肝をエグる。
本盤は別テイクを含む全23曲で充実のリイシューだが、含まれていない曲もいくつかある。例えばヴィヴィッド盤には収録されていたソロモン・バークの名曲をスローで歌ったCry To Meなんか、それはもう凄まじい出来なのに未収録。逆にこのAce盤にしか入ってない曲はそれほどでもないのだから残念である。といった若干の不満もありながら、未収録の作品はこれからまたまとめられるだろうから、まずは本盤をジックリドップリ堪能させて頂く。「ソウルって音楽を聴きいてみたい」って言う初心者のリスナーにも、強烈過ぎるかも知れないけれども絶対お薦めします。「スペンサー・ウィギンスこそ本物のソウル・シンガーだ!」と叫びたい!