だが,現代においてゴールドマン・サックスは誰もが認める世界屈指の名門インベストメント・バンクである。このいちじるしいギャップは何なのか? ゴールドマン・サックスは,その経営形態が非公開のパートナーシップ制であったがゆえに,これまで神秘のベールに包まれていた感がある。しかし,本書の著者はゴールドマンサックスにバイスプレジデントとして実際に勤務していた元為替トレーダーであり,同社の130年の歴史を丹念かつリアルに表現している。本書の英語の副題は「The Culture of Success」。現在の成功に至る独自の企業文化の系譜が描かれ,冒頭の評者の興味に十分に答えてくれた。
1929年の大暴落だけでなく,ペンセントラル倒産事件,共同経営者によるインサイダー取引疑惑など同社はこれまで幾度も深刻な経営問題に遭遇してきているが,そのたびに「顧客第一主義」の理念を再確認しながら新たなリスクを果敢にとって乗り切ってきている。その過程はスリリングでさえある。
なお,インベストメント・バンクの内幕本としては,80年代のソロモン・ブラザーズを描写した「ライアーズ・ポーカー」(マイケル・ルイス,角川書店)が有名である。これと比較しながら本書を読むと(マイケル・ルイスに比べ本書の著者の視線は素直過ぎるきらいもあるが)ゴールドマン・サックスの企業文化の特徴がより際立ってくると思われる。 (東短リサーチ上席研究員 加藤 出)
(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
Former Goldman Sachs vice president Lisa Endlich draws on her insider's knowledge and access to all levels of management to bring to life a unique company that has long held its mystique intact. The most stunning accomplishments in modern American finance are explored through the story of how Goldman Sachs reached its summit.
Goldman Sachs: The Culture of Success provides a rare and revealing look inside an institution -- until recently the last private partnership on Wall Street -- and inside the financial world at its highest levels. Included here, in a new chapter, is a first look at the history behind the firm's landmark initial public offering.
登録情報
|
|
|
|