1984年の夏、私はニューヨーク、セントラルパークでそれに出会った。
小さな露天の屋台で売られていたカセットテープの一本として。
ドウ・ワップの古典としてグループの名前くらいは知っていたが、曲はといえば実際聞いたことがない。
きっと、なにがしかの好奇心と2ドルそこそこという値段が手を伸ばさせたのだろう。
歌詞カードも何もなかった。海賊版であったかもしれない。
だが、この出会いは幸福なものであった。
音質こそ時代相当であったが、瑞々しく恋を歌うその曲の数々に私は酔いしれた。
テープの宿命である寿命を迎えるまで。
帰国してのち、別のベストアルバムをCDショップで見つけた。
洗練はされていたし音もよかった。
が、魂を揺さぶるようなあの感覚はなく、落胆した。
しかし今は、あのときのアルバムがCDとしてここにある。
忘れようもないジャケット・デザインとともに。
amazonで再び出会えた幸運に感謝。
そして、我が青春との再会に乾杯。