この作品はGlitter and Doom Tourの記録です。Glitter and Doom Tourは2008年5月に発表され6月17日のアリゾナ公演を皮切りに8月1日のダブリン公演までアメリカで13回、ヨーロッパで15回行われたツアーで、2000年代のTom Waitsのツアーとしては2004年秋のReal Gone Tour・2006年夏のThe Orphans Tour以来のもので、近年で最大規模のツアーでした。
どの公演もLucinda/Ain't Goin' Down to the Wellで始まり20-25曲演奏するものだったようです。またこのCDには80年代以降の作品のみ収録していますが、実際には近年のツアーと同様に多くの公演で70年代の曲を1‐2曲取り上げていたようです(特にChristmas Card From A Hooker In Minneapolis, Invitation to the Blues, Tom Traubert's Bluesなど)。ツアーにはTom Waitsの80年代以降の音楽に強い影響を与えたギタリストMarc Ribotは不参加で、3人の子供のうちの二人と思われるSullivan WaitsやCasey Waitsが参加しています。
演奏は、聴いたことのある人にしか説明できないような、80年代以降のオリジナル・アルバム同様の猥雑で混沌とした独特の演奏で、少人数による演奏には思えないほどの重厚さがあります。Real Gone Tourではピアノが用いられていましたが、このCDを聴く限りはピアノを使っていないようですね。
disc 2にはTom's Talesというタイトルでステージ・トークを収めていますが、かつて「得意楽器はボキャブラリー」と嘯いていたTom Waitsですので、英語に堪能でない自分がざっと聞いたぐらいでは半分も分かりませんでした。興味のある人は日本盤を買わないといけないでしょう。
アルバム・ジャケットはツアー・ポスターの写真と同じものです(背景のみ変えています)。ちなみに某ラジオ局のサイトからツアーの7月5日の演奏を全曲聴くことができました。