ザハロア&スカラ座のジゼルを見た後だっただけに、バレエはソリストの力量だけでなく、バレエ団全員で創られるものであるという、当たり前のことを再認識しました。
レティシアのジゼルってどうなのだろうと思っていましたが、ニコラのアルブレヒトにレティシアのジゼルは、ぴったりでした。一幕では素朴な村娘という感じがよく出ていましたし、アルブレヒトに愛された歓びに満ちた明るい踊りに好感が持てました。2幕では、必死にアルブレヒトの命乞いをする姿が大変健気でした。テクニックもしっかりとしていて、一幕とは違った面がよく出ていました。
ニコラのアルブレヒトは、軽いお遊び感覚でジゼルを誘ったのだなという感じで、ジゼルが狂乱してはじめて自分の罪に気づいたようで、それでもその場でどうしてよいかわからない様子でした。2幕では、ジゼルの墓の前で心から悔恨の意を示す様子がよく演じられていました。
ニコラの踊りは文句ありません。30回アントルシャ・シスも余裕で決めていました。
ヒラリオンのロモリも抜群の演技力で、人柄のよい森番という感じでした。
圧巻は、ジロのミルタです。ただでさえ存在感のあるマリー・アニエス・ジロですが、パドブーレで舞台奥から前へ進んでくるだけで、物凄いオーラを感じます。きっと舞台だと本当に凄いだろうな〜。どのパをとっても美しく、堂々と威厳たっぷりで、ミルタそのものでした
2幕のウィリー達は、舞台に登場するとすっと舞台の温度が下がったような冷気を発しているようでした。ジロのミルタと共に舞台を異次元の空間にしているようでした。
その他、一幕ではペザントのミリアムちゃんとティボー君が本当によかったです。あのしなやかで軽いそしてエレガントな踊りは、見る者全てを幸せにしてくれます。ぴたりと息の合ったペアだなと思いました。もっと二人の踊りを見たくなりました。
パり・オペラ座のDVDは、何度見ても見飽きることがありませんが、このジゼルも本当にお薦めです。パり・オペラ座のクオリティーの高さを示す一枚だと思います。