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9歳の活発な女の子トリシア・マクファーランドは、ママと兄と一緒にハイキングにやってきた。週末は家族一緒に過ごすもの、と勝手に決めてかかっているママは、つい最近離婚したばかり。ボストンからメイン州の小さな町に引っ越したことで、兄は最近ママとけんかばかりしている。彼は新しい学校になじめずにいたのだ。トイレに行きたくなったトリシャは、2人が言い合っている場所からちょっと離れ…そして道に迷ってしまった。
はじめのうちこそ1人ぼっちの冒険もうまく運ぶように思えたものの、彼女は迫りくる危険を察知しはじめる。その意識の変化をキングは見事に表現する。最初は張り切っていたトリシアだが「はじめてかすかな不安の陰がよぎり」、やがて激しい混乱状態に陥り、ついには幻影を見るようになる。その中でも一番うれしい幻影は、トリシアの憧れの人、大リーグ球団レッド・ソックスのピッチャー、トム・ゴードンだった。彼の試合の様子をウォークマンで聞いているうちに、その幻影が見えるようになるのだ。
キングは総じて的確で緊迫した、そしてどこか叙情的な文章で、ブンブンという気味の悪い音を立てる蚊の大群から、「超自然的なもの(神様は自然を通して何かを暗示しているんだ、とトリシアのパパがよく使っていた言葉)」が奏でる深遠な助奏までを描き切る。また、トリシアの大切な人たちのことがだんだん明らかになると、読者はますます彼女と同じ気持ちになっていく。とてもいい人なのにお酒で身を持ち崩したパパ、大好きだけどちょっと頑固なママ、それにその生き生きとした言葉遣いが非常に印象的な、トリシアの親友ペプシ・ロビチャウド(「そんなに“女の子”するんじゃないわよ、マクファーランド!」)。ふと見上げた満月が引き金となってさまざまな連想がわき上がり、「気を確かに持って、持ち続けなければ」と彼女の独白が繰り返される。そしてトリシアと共に森の中で道に迷ってしまった我々読者も彼女と同じできごとを同時体験することになる…。
アマゾン・コムのインタビューによると、キングがめざしている作品は、ウィリアム・ゴールディングの『Lord of the Flies』(邦題『蝿の王』)だそうだ。森をさまようトリシアが、ブンブンと低くうなりを上げる何者かの幻影に震え上がる場面は、これまでの作品の中で、ゴールディングの影響が最も色濃くうかがえるシーンである。(Tim Appelo, Amazon.com)
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内容説明
From the master of horror and suspence, Stephen King, comes a pop-up adaptation of one of his bestselling novels.; Trisha MacFarland had no idea what was in store for her when she wandered away from her mother and brother on a family hike! Readers will travel with Trisha on her journey of horror, where she has only her witts for navigation, her ingenuity as a defence against the elements, and her courage and faith to withstand her mounting fear. For solace, during this terrifying journey, Trisha tuned in her walkman to listen to the broadcasts about her hero, the Red Sox relief pitcher, Tom Gordon. As with all King's novels, this adaptation engages our deepest emotions and explores our deepseated dread of the unknown.