すでに何回もCDで聴いている作品だが、SACDの音質を期待して購入した。
このアルバム以前にはスタンダード曲を主体に大編成オーケストラをバックにしたポップス的な内容のものが多かったのだが、この作品では、これまでジャズではあまり取り上げてこなかったオリジナル曲がほとんどで、ダイアナの新しい挑戦が認められる。
SACDではさすがにCDより優れていることはステレオ2チャンネルでも明らか。 さらにマルチチャンネル(5.1ch)では、まずアコーステックベースとドラムの低音、ダイナミックレンジの伸びに感心した。 ダイアナの声もハスキーに震えるところまで再現され、眼前に浮き上がってくるように定位し、奥行き感が立体的に構成されている。 ボーカリストとしてのダイアナの声はもともと音域も狭く、ノビもないものだが(J.モンハイトやR.ガンバリーニのような美声ではありませんな)、その独自の表現力やジャズフイーリングが、彼女の持味であり、CDでは聞き取れなかった声のヒダにまでこのアルバムかける意気込みを感じさせられたのには驚いた。(特にトラック1、2、3、5などが素晴らしい)
また、ピアノの音も素晴らしく、ダイアナのピアノってこんなに上手かったかと思わせるほどで、ジャズピアニストでも食っていけそうである。 音がよくなると作品の内容までガラリと大化けすることが時折あるが、SACDマルチチャンネルによって初めてこのアルバムの真の評価が可能となったのだ。 CDで聴いていたのは、一体何だったのか。
CDでは平凡な出来の3つ星の評価であったが、4つ星を進呈してもよい評価アップとなった。(最近のレビュー評価は5つ星が多すぎる、そんなに簡単に5つ星を乱発していては真の傑作には6つ星が必要となってしまうではないか?) 音質の点でもオーディオマニアにもすすめられるディスクと言えるだろう。