50の起こす様々な騒動の為に色眼鏡で見られがちなこのアルバムだが、冷静に質のみをみると、中々の出来だ。残念ながら、クラッシクでは無い。明らかな駄曲がアルバム中盤に数曲並ぶ。彼のリリックも詩的では無いし、ラップするトピックが限られすぎている。フローはいいのだが...
しかしこいつの作る曲はすごい。歌心を満載なキャッチーなフックと、自身の体験を交えたハードな歌詞が上手く融合したこの人の音楽は、Nellyのようにpopとも言えない、片や初期のSnoopの様にgangstaでもない音楽。両方の層にアピールできる、正にGangsta Popだと思う。
この人のデビュー以前も、自分のgangsta度(日本でいうところの悪さ自慢ですかね)を売りにしてるラッパーは沢山いた。Gangsta Rapとういジャンルは既に在ったのだ。しかし、多くのgangsta rapperはそのgangsta度をプロモーションに使うとよりかは、street credibility(ストリートからの支持)を得るために使うに留まっていた。50centはそれをフルに活用し、プロモーションに最大限に利用した初のラッパーだった。その証拠に彼自身のstreet crediblityはほぼ皆無だが、明らかにポップよりの音と、売り方に加えてgangstaのフレーバーを加えた彼の音楽はポップ層とハーコア層に上手くアピールしている。この手法は彼以降、すっかり業界に定着してしまった。良くも悪くもシーンを変えた50centのデビュー盤だ。
今は色眼鏡で見られ、様々な批評を受けているこの一枚。しかし、シーンに与えた影響は計り知れません。時が経つに連れて再評価されていく一枚でしょう。