本作品はJim Kweskin and the Jug Bandの4枚目とJim Kweskinのソロの4枚目をセット販売したものです。もともとJim Kweskin and the Jug Bandはヴァンガードに在籍しており、ここから3枚のバンド名義のアルバムがリリースされ、また並行して行っていたJim Kweskinのソロ・アルバムもここから出ていました。ところがソロ&バンド名義いずれも4作目からは移籍したリプリーズからリリースされており、こうした変則的な組み合わせになっているようです。
4枚目のアルバム発表の後にJim Kweskinがバンド解散と決めたため、このアルバムがバンドのラスト・アルバムになりました(近年の再結成を除く)。Jim Kweskinとしては、バンドのメンバーの音楽の志向がずれつつあったため解散になったと説明していたそうですが、メンバーとしては青天の霹靂であったとされており、Jim KweskinがメンバーのMel Lymanを教祖とする宗教にのめりこみつつあったことも大きな要因とされています。
そうした中、Mel Lymanのファミリーのバック・アップ下に解散後初のソロとしてリリースされたのがこの「アメリカ」です(Jim Kweskin名義では4枚目)。ジャグではなく、またジャグで使われる楽器は使用されていません。しかし、ジャグ・バンド時代よりも徹底してルーツ・ミュージックに徹した、地味で落ち着いたアルバムです。70年以降というと、Love & Peaceの時代が終焉を迎え、ベトナム戦争の泥沼化と共にアメリカ人の誇りが失われ、個人を歌うSSWの時代がやってきます。そうした環境の変化なくして再度の「原点回帰」がありえなかったでしょう。全く気負いを感じさせない土臭く穏やかなオトで、ボーッと聴くのに最高のアルバムです。