初めてこの本を読んだときはかなり衝撃的だった。
ファースト・ソロが出た頃に行われた『ロッキン・オン・ジャパン
』十八番の2万字インタビューで彼の母親が亡くなったころは知っ
ていたが、相当突っ込んだところまで触れたそのインタビューでも
自分の出生には触れていなかった。それがこの自叙伝では、自分
がもらわれっ子であること、生みの親を幼い頃に無くしたために自
分が養子になったことまでが克明に語られているのである。
また、それまでずっと「ある日作成しよう」がバンド名の由来だと信
じて疑わなかったのが前身のバンド名が元になっていたとか、初期の
ペンネーム肝沢幅一の由来など目からウロコのエピソードばかり。
それよりももっと強烈なのが、暗黒時代のエピソード。これは前述の
「2万字インタビュー」にも詳しいが、とにかく壮絶なものがある。
ただ、この暗黒時代から『ラプソディー』を経てビッグネームにのし
あがるまでのストーリーが矢沢永吉的な成り上がりストーリーとは
一線を画しているのが清志郎らしいといえば清志郎らしい。
また、プロダクション移籍を巡るエピソードなどドロドロとした内容
のものもあるが、どこか飄々とした趣であまり陰惨な印象を覚えない
というのもこの人ならでは。
ところでRC、および清志郎ファンには必携アイテムのはずだが、残
念なことに今や絶版。出版社にはぜひ再販をお願いしたい。今持って
いるやつは何度も読み返してボロボロなので。再販されたあかつきに
は、二、三冊まとめ買いしたい。