作者の江川氏の思想というのは基本的に近代的な啓蒙思想に基づくアメリカ流ポジティブ・シンキングと言って良いのだろうか。或いは『トヨタ流カイゼン方式』のようなエコノミック・アニマル的勤勉思想と言うべきか。
本作でも基本的に『人は勉強し続けなければならない』『世の中の不正を暴き出し体制の洗脳から解かれなければならない』という態度で一貫している。
その態度がかなり狂気じみているのでむしろ江川漫画こそが啓発セミナー的で新興宗教的な不気味さを漂わせ世間を洗脳しているのではないかと疑いの目で見られるという何ともパラドキシカルな存在である。
金剛寺などはニーチェの超人思想を彷彿とさせるし性にこだわるあたりマッチョイズムかセクシスト(男性優位論者)も入っているかもしれない。
…まぁ何にせよこの漫画は江川氏の漫画家としての才能のピークに属する作品ではなかろうかと思う。
女の子もかわいいしデッサンもまだそれほど崩壊していない。背景や小道具などもまだアシスタントを使っていたらしく丁寧である(終盤は怪しくなる)
終盤のストーリーは打ち切りということもあって無茶苦茶な展開を繰り広げるが逆にその無茶苦茶加減に江川氏の思想の一端が垣間見えるものかもしれない。