今では、時折CMで見ること以外、ほとんどその名も聞くことはなくなりましたが、石川秀美さんは同じ82年デビューの歌手の中でもとりわけ光っていたような気がします。確かに、レコードの売れ行きでは小泉今日子に、歌の上手さでは中森明菜には負けたかもしれないけれど、彼女には全身から溢れる輝きがありました。「バイ・バイ・サマー」や「スターダスト・トレイン」なんか本当にいい曲だったし、ロック色が濃くなる後期のシングルに挟まれた、ミディアムテンポの「素敵な勇気」なんかも彼女らしさがありました。
このアルバムでは彼女の主なヒットシングル20曲が計76分収録されていて、一枚もののベスト集としては良くできたアルバムだと思います。彼女としては他に、DVD付の全シングルAB面がすべて入ったボックス盤も出ているのですが、価格もまた1万円以上するので、コアなファン以外ではこのアルバムからスタートすれば良いでしょう。また、以前のNEW BESTより5曲多くて曲順もバラバラでないのも、彼女の軌跡を見ていくうえで好ましく思います。
彼女は83年の「Hey!ミスター・ポリスマン」から、85年「サイレンの少年」までの連続13曲でオリコン10位以内チャートインさせているのですが、うち6曲それも4曲連続でオリコンのピッタリ10位最高という珍しい記録の持ち主でもあります。