一見子供向けのちゃちなタイトルに聞こえる「GOGOモンスター」、しかし内容は表現や図案そして物語に関して恐ろしく芸術性を追求した作品である。近代、マンガは子供向けでなくなってきているが、この作品はもはや芸術といっても過言ではない。純文学や詩がアートであるというのならこの作品も新たな表現法(マンガ)を使用した芸術作品であるといえるだろう。
主人公ユキは朝日小学校に通う生徒の一人であるが、自我の目覚めとともに彼の早熟な感性や意識は、様々な現象や感覚を本人や周囲の人々に与えるようになった。それらはユキが言う「もう一つの世界」と、そこに存在する「モンスター」と呼ばれるものだ。
ユキはクラス内ではやや孤立した存在であったが、転校生マコトとの交流、用務員のガンツ、上級生のIQと、様々な出合いと季節とを経て自我を確立していく内容。
日常のなかで非日常(モンスターの世界)が唐突に表れ消えてゆくユキの感覚は、かつて私達が幼い頃に感じていた何か、を思い出させる。作品中で「それが幻想であると言われても、僕にとっては確かに存在する現実なんだ」と、ユキがいうのだが、、、、モンスターの世界は比喩なのか現実にあるのかどうなのかは、是非読者に判断してもらいたい部分である。
ユキとマコトの友情はこの作品の重要な軸を担う部分だ。傑作「アキラ」においても友情は効果的なシーンをつくり出した。「アキラ君、力を使えるかい?」このクライマックスにおけるシーンと同等かそれ以上の場面が「GOGOモンスター」にある。これは人と人がわかりあう、もしくはわかりあおうとする感動と、内面への旅が真の友情を見出す、インナートリップとその帰還を表現した傑作なのだ。
すべての教育者と芸術家、そしてかつて子供だった人に。オーバード-ズ体験者や、クラバーなど内宇宙の探究者も。