ここ数年の20周年盤・30周年盤の中で、残念ながら一番面白くない企画となってしまった。もちろん「ゴー!ゴー!ナイアガラ」自体は面白い作品だし、素晴らしい曲も多いのだが、ボーナスを含む全体の構成が30周年記念盤にふさわしくないのだ。(☆は正確には3.5個としたい)
76年のオリジナル音源全13曲に続いて、何と96年リミックスで同じ全13曲が繰り返し収録されている。ある意味ナイアガラ的かもしれないが、本人も解説で書いているように音楽的に大差がないとすれば、どちらか一方だけで十分だ。それよりも別テイクやライブ演奏など、もっと30周年にふさわしい音源があったのではないだろうか。96年盤CDとの差別化かもしれないが、満を持しての記念盤と呼ぶには抵抗がある。
近年の大滝氏は「細かい違いをあれこれ言うより音楽自体をしっかり聴け」といったニュアンスで話すことも多く、非常に共感が持てたし痛快だったが、本作はまたマニアック度が高くなってしまったようだ。今回のような構成だと、つい聴き比べに走ってしまうか、あるいは食傷気味になるおそれがある。聴きたくなければ飛ばせば良いという見方もあるが、本来アルバムとはそんなモノではない。1枚通して聴いた場合の印象や満足感も重要ではないだろうか。リミックスが全曲収録される一方で、漏れてしまったトラックもあるのだ。
特に96年盤にあった「ニコニコ笑って」のライブは、大サビあり、サックス間奏ありで聴き所満載の演奏だっただけに残念だ。「あの娘に御用心'78」も、好き嫌いはともかく収録される価値はあったのではないだろうか。また、可能な範囲で当時の放送の抜粋を入れてみても面白かったかもしれない。
この30周年盤が、今後は基本的な盤として聴き継がれていくのだと思うと、一抹の残念さが残ってしまう内容である。