■概評
「恋愛白書」を掲げるGEの第四巻。
「格好よくなり初恋を成就」という当初の目標から外れ、
「これといった取り柄の無い主人公の優しさに惹かれハーレムが構成される」というテンプレートな展開になっているため辛口です。
■ストーリー
健人の浮気発覚と破局、大沼とデート、ファーストキス、練習試合の構成。
当初とはうって変わり、近年のラブコメディ作品の典型の問題発生/解決の構図。
この図式を完成させるためにご都合主義の展開も多く、もう少し考えてほしいところ。
設定を活かしきれず偶然を多用しているのも×。
テニスの大会に出たら――など色々やり方はあるでしょうに、特に意味もなく出かけた先でキーパーソンと出逢うのは不自然。
■登場人物
上手くなりたいので朝練出ます!→恋愛を理由に朝練やめる→いいプレーは見ておかないとな
の主人公の流れは唖然。いいプレーを見る前に朝練やれよお前と突っ込みたくなります。
仮にも「恋愛白書」を謳っている作品が、自分というものを持たずただ女の子に迎合し続ける男が魅力的なんだよと本気で主張するつもりなのでしょうか。
そもそもそれで喜ぶヒロインも、理屈では分かりますが共感しにくい。一巻で真逆のアドバイスをしているだけに。
■作画
癖のある絵ではありますが安定しています。
表紙は真っ白(今巻はうっすら水色ですが)な背景にキャラが立っているだけの、
所謂「ラノベ描き(っていうんですかね)」ですが、マンガだと割と目新しく個人的には○。
■その他
全てのイベントに意味があり、良く言えば無駄が無い、悪く言えば窮屈・遊びが無い。
現実なら、意味の無いイベントの積み重ねの結果、淡い恋愛感情に繋がったりするのが自然です。
しかしこの作品はこれでもかと事件を起こし、劇薬を投下することで登場人物の感情の変化を促しています。ドラマチックといいますか。
リアルというのはこの作品の売りですが、上述の点を踏まえるとやはり売りを間違えてるなと感じます。
そもそもリアルって売りになるんですかね? だったらノンフィクションでいいような。
■総括
冴えない主人公が「格好よくなるために」行動して(させられて)いた1巻とは大きく異なり、上記のように人間として魅力の感じられない主人公がやたらとモテるただのハーレムものに変わってしまったのは非常に残念。
恋愛指南も無くなった今、当初のような構成を期待するのは難しいですが、それを覆すような展開に期待。