■概評
1巻の「恋愛バイブル」というキャッチコピーはいずこへ、良くも悪くも普通のラブコメです。
1〜2巻に比べると予想通りの展開が増えており、やや面白みに欠ける面も。
休まる間も無く事件が起こることは次が気になるという利点もある反面、各話の読後感の悪さといったマイナスポイントも孕んでいて個人的には×。
おそらく打ち切りルートは外れているだろうし、もっとゆっくりと話を進めてほしいところ。
■ストーリー
新キャラ・大沼の紹介と、黒川とのデート、そして予想通りにブーメランしてきた娼先輩の話。
アンケート重視の週刊誌では仕方の無いことですが、引きで事件発生、翌週大したことありませんでした、の毎回のパターンはやはり拍子抜け。
単行本で一気に読めてしまうと、次週の展開を予想する楽しみが無くなってしまうので仕方の無い話ではあるんですが。
また不自然なくらい事件が多い。「辛いことの方が人を成長させる」という意見には賛同しますが、楽しいイベントで成長する話を描いてもいいんじゃないかと。
■登場人物
男の値踏みをするためにデートするメインヒロインはやはり難点。主人公も行動に一貫性が無く感情移入しにくい。
日常会話で恋愛話しかしていないのもマイナス。登場人物全員恋愛脳と言われてもおかしくないです。
メインヒロイン(黒川)は作中での評価は高いですが、それを読者に感じさせるような描写が足りない気も。
いい女だなと読者が自然に思ってしまうような描写を加え評価のすり合わせを図ってほしいですね。
ブログで批判を浴びたから――かどうかは分かりませんが、1話見開きで登場していたキャラの数人が未だ出ていないのは気になるところ。
これから登場するのか、はたまた路線変更を図ったのか。
■作画
シリアスなシーンで眉が太くなるなど、加筆修正して欲しかったシーンも多々。
また振り向いて笑顔、という構図が多く見られるのは気のせいでしょうか。
時々聞く意見ですが、メインヒロインの顔が坊や哲(
哲也 −雀聖と呼ばれた男−(1) (講談社漫画文庫))に見えるカットも度々。
■その他
「リアルかどうか」ということはこの作品を語ると大抵話題に乗りますが、個人的には「リアル」ではなく「生々しい」という表現が適切かと。
作者の知識・経験不足からか、総体が無かったり夏休みに入っても引退しない3年生などの描写を鑑みるに、リアルと呼ぶには随所で脇が甘いです。
絵で表現されている分でも、テニスコートの描き方がおかしいなどやや目につく点も。同誌でリアルなテニス漫画が連載されているだけに尚更。
また、おまけページで悪役のキャラ紹介までやっていますが、「本来はいい人。ただ大学に入り変わった」という設定は本編で描くべきものではないかと思いました。
実際にそれを本編で描かれたら「つまんねえ!」と切り捨てるくらいにはそのキャラは不要なのですが(笑)
余談ですが、毎回のサブタイが横文字ばかりで読者層に親切でなく手抜きであるのは頂けません。別に格好よくもなんともないですし(これはセンスの問題ですが)。
「ルーズサイト」と言われてその意味を即座に理解出来る読者が、少年誌のメイン読者層に何割いるでしょうか?
■総括
当初の王道のラブコメが好き・中盤の昼ドラのような展開が好きで普通のハーレム物になっている現在の展開はつまらない等様々な意見がありますが、これから作者がどのような方針を採っていくか楽しみであります(とは言え伏線回収を考えると王道のラブコメには……)。