ファーストガンダムの裏舞台を描いた本作ですが、ギレンによるガルマの追悼演説時に既にジムが宇宙で配備されていたり、被弾したMSが核爆発を起こすなどといった矛盾した設定がちらほらと垣間見えますが、これはこれで割り切ってみれば、非常に個性的で面白いガンダムであることに間違いないです。
他のガンダムシリーズとは違って本作は、恋愛や仲間との絆に重点が置かれている気がします。
シローもアイナも戦争の渦中で矛盾と葛藤しながらも、互いに信念や大切な何かを見出し、そして成長していく姿が非常に丁寧に描かれています。
他の登場キャラクターもイキイキとしており、個性が爆発しています。そんな部下達から信頼を勝ち取り、仲間として絆を深めていくシローの成長ぷりもしっかりと描かれています。
部下を持つ主人公ってのも、ガンダムシリーズの中でもこの作品だけかと思います。
MSの動きも秀逸ですね。
昨今のガンダムみたいに目にも止まらぬ速さで縦横無尽に動き回るようなこともなく、実際に地球の重力圏内で二足歩行の巨大な鉄の塊が動くとこうなる的な重厚感溢れる動きを見せてくれます。MSの被弾演出の細やかさもすばらしい。
あと、たった一機のMSが何機ものMSを束にして相手できるような演出が皆無な点も本作の特徴の一つかと。(アプサラスの戦闘力だけは異常ですが・・・)
ザクより高性能とされている陸戦型ガンダムであっても、油断すればあっという間にやられてしまいます。
また、一発一発の銃弾の描写が非常に重々しく、敵も味方もMSが被弾しないように森や建物の陰に隠れながら必死に戦っていますし、銃火器には当然弾数制限があり、やたらめったらに無駄撃ちできないという緊張感もヒシヒシと伝わってきます。
本作は、数あるガンダムシリーズの中でも、群を抜いて非常にリアルで緊張感に満ちた戦場描写がされている感があります。
SEEDや00しか観たことのない方にも是非とも観てもらいたい作品です。
最近では、大人の女性(母親役)を演じることの多くなった井上喜久子さんではありますが、もし機会があれば、アイナのようなピュアで情熱的なヒロインを是非とも演じていただきたいと思いますね。
なお、今回発売されるBOXに関してバンダイビジュアルに問い合わせたところ、5.1ch DVD-BOX の廉価版仕様ではなく、単品売りDVDのBOX化仕様とのことです。