ベストセレクトシリーズ第三弾はヨーロッパロケシリーズの記念すべき第一作の登場である。
仏パリで発生した商社マン殺人事件の現状で発見された数枚の日本の五百円紙幣、それには驚くべきた番号が記されていた。 その番号こそかって戦後最大の未解決事件と言われたあの「三億円事件」で奪われた紙幣の一部であったのだ。
早速、特命を帯びた三人のGメンがパリへ飛ぶが、日本人を極端に憎悪する現地パリ警察警部の妨害、警察機構の慣習の違いなど諸々の障害が捜査の壁となってGメンたちを苦しめる。
苦しみ悩みながら壁を取り払い冷静沈着に捜査を進め、東京のGメン本部とも密な連携を図りながらじわじわと真犯人を追いつめて行く。
そして、たどりついた「三億円事件」の真相!真犯人の心の中をみたGメンたちの胸に去来したものは!?
今回のヨーロッパロケシリーズも三部作構成で見応えも充分だ。また、パリもそうだがヨーロッパの持つクールな風景やうらぶれた街並みの雰囲気などがGメンのスタイリングにぴったりはまる。
そういった意味でもこのヨーロッパロケシリーズは成功したと言っても良いのではないだろうか。
しかし、惜しいのは現地警察警部役の俳優(本当に俳優なの?)が素人同然の芝居のへたさで全く興ざめだった事!!もっとうまい俳優を起用していたらと残念このうえない。(台詞棒読みだし...)
だが、「三億円事件」の真相に絡めて差別問題や戦争の傷跡と悲劇を盛り込んで展開させていく脚本は見事だし、鷹森立一監督の甘さを抑えたハードな演出もさすがである。
もうひとつのエピソード「29の死神の手紙」は、都市伝説ではいまや古典とも言うべき「不幸の手紙」に材をとった犯罪の悲劇を描いている。
ここでは郵便法なる法律がGメンの捜査の前に立ちはだかる。
法を犯してまでも事件解決に向け毅然とした覚悟で立ち向かうGメンの心意気が胸をうつ。
しかし、法律というのは良い方にも悪い方にも転化する。助けにもなるが障害にもなる両刃の剣みたいなところがある。このへんのところを実になんともやり切れなく描いている。
法は法としてあくまでも厳守しなければならない立場の人間は不条理な決断をも強いられる!という矛盾を
含みながらこのエピソードは幕を閉じる。
Gメンの魅力はこういった社会問題にも鋭くメスをいれるところにあると改めて思った。