「10代の頃、ピンと来なかったバンドを今じっくり聴いたらどんな感じなんだろう」
と考えてる中年リスナーは結構多いのではないだろうか。
私の周りでも「CANはいいよ」という友人がここ10年ぐらい増えていた。
SACD、9タイトルの発売を機に、傑作とされる73年録音の本作を購入してみた。
当時ろくに聴きもしないで抱いていた印象より、はるかにポップ。
フリージャズに近かったイメージも、本作のパーカッシヴな展開で払拭された。
一部のプログレが持つ様式美や大仰さもない。
自由で心地よいグルーヴに全編満ちている。
(年季の入ったファンの方々には役に立たない感想で申し訳ないです)
さて、CD層とSACD層を聞き比べると、音質上、かなりの違いを感じた。
SACDでは、ベースの音圧が倍ぐらいに感じる。
それは時にボーカルやキーボードが掻き消されると思うほど。
また各楽器の原音・定位がはっきりして、安定感を感じた。
高音などは艶やかさが減じ、CD層の方がエキセントリックな印象。
70年代後半から様々なミュージシャンにリスペクトされ、地味ながらも再評価を繰り返されてきたCAN。
その理由を知るには格好の一枚と思う。