(誤字修正と追記しました)
☆は4.5ぐらい
プラダを着た悪魔のモデルになったということで読んでみた。
これを読む前にアナ・ウィンターの職場を映したドキュメンタリ映画『ファッションが教えてくれること』(原題は the september issue)を見ていたので、ウィンター女史のおおまかな像は知っていた。
だが本書には、映画やよくあるインタビューには微塵も映っていない、彼女のイビツな性格や行動が割と詳しく、周辺人物への取材を通して
書かれている。(本人が知ったらめっちゃ激怒しそう?w)
彼女の言動を知れば知るほど、これでよく成功したなぁと思う(僕が日本人だからだろうか)。
日本でよく売ってある世渡り術や仕事の成功術のビジネス本の教えとは真反対を行っているからだ。
プラダ〜の映画の編集長よりも強烈で常人には理解しがたい面を持つ彼女は、その意味で伝説的存在だろう。
だが、VOGUE編集長への目標、ないしファッションに関しては、並ならぬエネルギーと集中力を注いできたことがわかる。
□本書からウィンター女史の逸話を一部紹介(某ファッションブログの紹介方法と同じですがw)
・スカートの丈を注意されたことが原因で高校を自主中退
・アシスタントが、アナに頼まれていた予約は不可能だと彼女に伝えると、早口で「じゃあ説得しなさい」
・エレベーターは彼女と同乗してはならない(プラダ〜の映画と一緒!?)
・VOGUEの面接を受けたとき、当時の編集長に「ここでどんなことがしたいの?」と質問され、「あなたの仕事に就きたい」と答え、面接は切り上げられ、帰される。
・アナのピンヒールが折れたときは、気づかぬふりをしてその場を早々に立ち去るべし。(実際に現場に居合わせた女性の恐怖の証言についても書かれてますw)
これらの逸話だけで、普通の人ではないことがわかる。むしろそれゆえに、彼女が今のポストにいて、ファッション業界に絶大な影響力を持っていることにも、うなずけるわけですが、彼女が今の地位にあるのは、センスとかだけでないことが本書では伺えます。
それは詳しくは読めばわかりますが、編集長という地位を手に入れるために、けっこうえげつない政治的な手法もこなしてきたようです。きっぱり「男は好きで女は嫌い」なのが感じられます。
ともあれ、彼女を生い立ちから本格的に追った本っておそらくこれが初めてでしょうし、内容も平凡じゃないので、おもしろいです。