これは、自然と好きになってしまう作品です。
全体として受ける印象は、明るいというより「暖かい」。タイトルの通り、仲の良い友人同士でもある4人によるセッションで、みな本当にいい具合に肩の力が抜けていますね。チックはじめ全員の笑顔が目に浮かぶ様で、これがファンの間で人気が高いのは当然、納得です。
心暖まる楽しい雰囲気が魅力の作品ですが、決してダレた感じはしません。それは、メンバー各人のレベルが高いことは当然として、チックのバンドリーダーとしてのすぐれた資質によるところが大きいと思います。それはつまり、確かな知識に裏付けられた構成力、ドラム経験者である事に由来するリズム感に加え、何より彼のオープンな人柄からくるコミュニケーション能力の高さ、ということ。「フレンズ」は、そこら辺が最もわかりやすく見て取れるアルバムではないでしょうか。
これを「世紀の傑作」みたいに言い張るつもりはありませんし、そもそも目指してもいないでしょう。しかし、ただひたすら一生懸命にシリアスに取り組めば必ず良い音楽が出来上がるかというと、そんな簡単なものではないですよね。互いに信頼し合うメンバー全員がリラックスする事により、秀逸なプレイがどんどん湧き出て来て、結果的に想像以上に良いものに仕上がっている。そんな、ある意味極めてジャズ本来の姿に近いアルバムだと思います。