オリジナルは2009年リリース。邦訳は2009年11月25日リリース。『フリー』が市場に与える影響を多面的に分析したおそらくは初めての本である。この本は経済学の本として極めて重要な著作だと読み進むうちに思うようになっていった。なぜなら、『フリー』というものが今の経済に果たしている役割が極めて重要で、今までの経済学はこの『フリー』という事象をそれこそなかったかのように軽視あるいは無視して理論を積み上げてきたような気がするからだ。それは間違いなくおかしい。そしてこの本の語り口の基本は間違いなく経済学だ。
まず市場のものをアトムとビットに分けて説明しているところが面白い。こういう経済学の本に出会ったのは初めてだ。そして市場に登場した『フリー』を次々と実に解りやすく説明してくれる。このあたりいかにも編集者出身という感じがした。カネの取れる文章というのはこういうものだな、と思う。
iPadの登場で書籍の売り方も変わりつつある今。この本のように当初『フリー』でダウンロード可能にしたやり方は実に刺激的だ。色々な意味で重要な一冊だと思う。