本書の著者は、米上院議員の経済政策担当補佐官、労働長官の補佐官、副大統領の首席スピーチライターを務めたのち、フリーエージェントになった経験の持ち主。フリーエージェントの実態調査をといったミクロな視点と、フリーエージェントが社会に与えるインパクトといったマクロな視点からの議論がほどよくミックスされ、社会の大きな潮流をとらえた論述となっている。
「いまの仕事が永続するなどと言える人はどこにもいない。誰もが『臨時』労働者なのだ」というとおり、現代の環境においては、企業に人生すべてを賭けることは難しい。しかし、日々問題にぶつかりながらも、自分らしい働き方を模索しているフリーエージェントたちの「証言」は、本書を生き生きと彩っている。また、成功しているフリーエージェントだけではなく、万年臨時社員として不当に搾取されている層についての論述も詳しい。
日本では、社会のフリーエージェント化に関しては、アメリカに大きく遅れをとっている。しかし、正社員にならない働き方に対する関心は高まりを見せており、一部の業界では、すでにフリーエージェント社会になっている。本書の第5部で描かれているような未来の社会が実現するのも、そう遠い話ではないのかもしれない。(朝倉真弓) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。
終身雇用で社員を雇うのは企業にとってリスクだが、逆に1つの会社に自分の人生を捧げるのは個人にとってもリスクである。とりわけ企業の平均寿命が短くなっている状況では、いくつもの企業と契約を結ぶリスクヘッジが不可欠と著者は書く。日本の多くの企業が「終身雇用」の暖簾を下ろし大幅な人員削減を厭わなくなった中で、日本でもフリーエージェント社会の到来は間近なのかもしれない。
(日経ビジネス 2002/06/10 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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アメリカ社会を対象にした分析論であるが、日本でも今まさに起こりつつある話であると思う。
組織に忠実な「オーガニゼーションマン(組織人間)」の時代から組織に縛られず独立して働く「フリーエージェント」が急増しており、アメリカでは全労働者の4人に1人がすでにフリーエージェントであるという。
フリーエージェント時代のビジネスのあり方についての記述が最も知りたいことであるが、本書の結論は特定のプロジェクトのための適材適所のための人材を集められるプロジェクトマネージャが従来の管理職にとって変わってくると言っている。
内容については、自分が普段している仕事の中でゆっくりだが着実に訪れてきている変化に合致していると思う。それでも、依然として従来型の大企業がまだまだ市場を支配している現状を気にしつつも、本書の著者の主張をがっちりと受け止めたいと思う。記述も、翻訳も大変ユニークで本当に楽しく読める。
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