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『FINE』以来、約2年ぶりとなる通算5枚目のオリジナル・フル・アルバム。シンプルなバンド・サウンドが新鮮な「奴のシャツ」でスタートする本作は、シビアに抑制されたメロディと洗練の極みを感じさせるアレンジワーク、背筋が冷たくなるほどの完成度を持つ演奏がひとつになった、恐ろしいほどに美しいポップ・ミュージックがたっぷりつまっている。いつになく奔放で、カラフルな音楽性をたたえたソングライティングも印象的。キリンジが持つ無尽蔵の音楽的ボキャブラリーがわかりやすく表現された作品だ。気持ちいいよ。(森 朋之)
内容(「CDジャーナル」データベースより)
2003年にデビュー5周年を迎えたキリンジの、約2年ぶりとなるオリジナル・フル・アルバム。シングル「スウィートソウル」「カメレオンガール」を収録。ポップ路線の名曲は彼らならでは。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
音楽を聴くのは恋人に会う時と似ている。好きなアーティストの新譜を久しぶりに手にした時はとくに。はじめは少し照れくさくて落ち着かないけど、ゆっくり向き合っていると“ああ、やっぱり変わってない”とホっとしたり、見たことのない表情にドキっとしたり。キリンジの5作目は、まさにそんな感じだ。リミックス盤などを挟んではいたが、オリジナル・アルバムとしては1年10ヵ月ぶりとなる。痒いところに手が届く洗練されたサウンドは、プロデューサー冨田恵一との鉄壁のチームワークによるもの。緻密に描きこまれた音風景に、ホーンやストリングスなどの生楽器が映える。音の緩急を自在に操るテクニックは、緊張感みなぎるフュージョン(9)とアコギ1本の弾き語り(10)の対比に顕著だ。兄・高樹が書く艶やかなナンバーと、弟・泰行のロマンティックな曲のバランスも絶妙。まるで聴き手との駆け引きを楽しんでいるようで、ちょっぴり憎らしい。それに翻弄されるのもまた恋の楽しさ、かな。 (岩田祐未子) --- 2003年10月号