この方は、ギャップがあって 、良い。
本作収録の「ME,WE」や「don't abuse me」のようにハードコアでエッジの効いた曲もあれば、「夏の色を探しに」のような澄んだアコースティクサウンドもある。
このアルバムではないけれども、「泡沫の虹」も「6453」も「ここで確かに」も「Liberal」etc…も同じ人の曲だ。
パワーポップも、ジャズもファンクも、グランジもハードコアもパンクもポストロックも、このAIRという人からは感じ取れる。
聞き手の自分がそう感じるくらいなのだから、作り手である御本人はもっと多くの音楽に触れ、感化されてきたに違いない。
これだけ多彩な楽曲を手掛けることが出来たのは、その賜物なのでは。
さらにそれらを、ミクスチャー的方法論よりかは楽曲毎に分けて多彩に描くのも、凄いことだと思う。
AIRの音楽を一括りに「特定のジャンル」に収めることなんて出来ないし、どんなサウンドであれAIRのハイトーンで美しく澄んだ声は一切変わらない。
ノイジーで地割れのするようなギターサウンドの上でも、ウッドベースがうねるジャズのアプローチをしてる曲でも、政治を歌おうが恋を歌おうが夏を歌おうが、彼の声は不動のもの。
このアルバムは、その全てが聴ける。
優しく、熱く、儚く、荒々しく、柔らかく。
実に多彩で、その描く景色も実に豊か。
活動休止を宣言された今改めて思うが、SPIRAL LIFE時代も含めてこの人は実に稀有な才能の持ち主だったと思う。