シャーロット・リッチー、ローラ・ライト、メラニー・ナクラ、デイジー・シュートという若くて美しい歌姫によって結成されたオール・エンジェルスは、声質の違う4人の持ち味を殺さないハーモニーによって、このアルバムは彩られていました。
本国のイギリスでは大変な人気を博したのが分かる完成度の高さです。ビブラートの少ない歌唱ですので、ハーモニーの透明度が高まります。
よい演奏は沢山ありましたが、フォスターの「金髪のジェニー」の透明な響きと懐かしいアレンジに心惹かれました。メロディは各人が交替で取り、旋律の上下に清楚で印象的なハーモニーをつけるアレンジが施してありました。前半はアカペラで後半はシンプルなピアノ伴奏で歌われるこの曲は、今や古き良きアメリカのトラディショナルを感じさせる曲になっていました。
スピリチュラルの名曲「深い河」の少し凝ったハーモニーのアレンジが好印象をもたらしています。河を渡る聖書の記述を元に、黒人が我が身におこる迫害から逃れるために、明日への希望を託した名曲です。敬虔な香りが伝わってきました。
「アイ・ラヴ・ユー、ポーギー サマータイム」の2曲の接続もよく、長調と短調のイメージの差を効果的に使っていました。
バーンスタインの「ウェスト・サイド・ストーリー」から「サムホエア」が取り上げられています。ミュージカルのラストに流れるこのナンバーは、全ての悲しみを共有しながら、お互いを認め合う歌詞の大切さが伝わる素晴らしい歌唱だったと思います。