学生時代、ジャズ喫茶でこのアルバムと出会いました。で、すぐにレコードを買い求めました。あの頃はそれほどメジャーな存在でした。
彼のピアノの特徴をひとことで言い表せば音の清涼感です。澄みきっていて嫌味がない。テクニックが他のピアニストと較べて抜きんでているわけではありません。しかし、安心して聴いていられるのです。だからジャズ喫茶でも、難解かつヘヴィーなサウンドで押しまくるジャズの合間に、いわば心のお清めみたいな役目を担ってよく流されました。
さて、当アルバムは1曲目「危険な関係のブルース」からはじまり、しったりとしたバラード曲、定番ともいえる「グリーン・ドルフィン・ストリート」をはさんで最後に「フライト・トゥ・デンマーク」で締める。つまり本来のレコードの8曲編成のほうがアルバムとしての完成度は高いです。+4のボーナストラックをどう評価するかです。別テイクは蛇足だとも言えなくもありませんが、名曲「ジョルドゥ」が収録されているのは捨てがたい魅力です。
「癒し」という言葉を安易にもちいるのは好きではありませんが、とにかくこのアルバムを聴いていると心が沈静化することはたしかです。
初心者はむろん、玄人(自称ジャズ評論家)の気むずかしいお方も必携。買っても決して後悔はしない一枚です。