CDリイシューで加わったボーナストラックの"Deep River"を除いたオリジナルアルバム収録曲6曲の、クレジットはすべてトラディショナル。つまりニグロスピリッチャルを題材とした作品集。そんな訳でタイトルが"Feelin' The Spirit"。
リーダーであるギターのグラント・グリーンに、ドラムスのビリー・ヒギンス(曲によってはタンバリンも加わる)、ピアノのハービー・ハンコック、ベースのブッチ・ワーレンというピアノトリオにギターが加わるカルテットセッションになっている。よって、リーダーのギターを邪魔するものはなく、十分なソロスペースを与えられた泣きのギターが、哀愁あふれる曲目に映えること映えること。グラント・グリーンは決して派手なフレーズを早弾きするタイプではないので、じっくりと彼のプレイを楽しめること受けあいだ。隙間がたっぷりとってあるサウンド構成も聴きやすい。
シンプルなドラムセット(シンバル、スネアとタムのみでバスドラやハイハットなし)で、普段と変わって、シンプルにアクセント付けていくビリー・ヒギンズの引き技が見事。うまくフロントの二人(グリーンとハンコック)を盛上げている。
助演男優賞をあげたいほどに、心憎いまでにソウルフルなプレイに終始するここでのハンコックのピアノも好きだ。次から次に湧き出てくるような魂の旋律が、アメリカ大都市のダウンタウンの教会のゴスペルを連想させる。録音当時はまだ若手のハンコックだが、彼は古いものをやらせても唸るほどうまいね。さすがはチャーチタウンデトロイトの出身だけのことはある。参りました。
この三人の一期一会のコラボレーションがハマッテいる。やはり、これはこの三人を組ませたプロデューサー(アルフレッド・ライオン)が凄いのだろう。聴けば聴く程に味わい深くなるアルバムとは、正にこのような作品を指す。私の長年の愛聴盤です。
RVG