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ところが彼女は、伸びてしまったセーターに型崩れした古いツイードのコートをはおり、スーパーの”今週のお買い得品”であるミルキーウェイをおやつにつまんでいる。財布の中には一セントも余分なお金は入っていない。
それというのも夫が妙にお金に執着する男で、家計費を含め財産すべてを管理しているからであり、彼女はその日の買い物に必要な分だけのお金しか与えられていないのだ。今時の小学生よりもお金の自由が利かないかわいそうな立場である。
おまけに家には盲目で耳も聞こえない夫の母親が同居していて、すべてを牛耳っている。唯一の使用人にさえ軽んじられ、家事のほとんどを一人でこなさなくはならない。彼女がそんな生活に甘んじているのは、夫(20歳上の超美貌の持ち主)を心から深く愛してるためなのだが。。。
さらなる苦痛が、一族の納骨堂で死体が発見されてからというもの次々とセーラを襲う。しだいに頭をもたげてゆく夫への疑惑。。。
辛抱強く冷静で、愛情に溢れるセーラに対して、優しいだけの頼りない夫にイライラさせられはするが、最後まで退屈はしない。やんわりとしたミステリーである。
誰もが目にしていたはずなのに、誰も気付かなかった二重苦の姑の謎の日記とは? 後は読んでのお楽しみ。日記の辺りでびっくりしてください。