People In The Boxのニュー・アルバム「Family Record」。
相当の勝負作である。正に捨て曲なし。
それは全曲キラーチューンって意味ではなく、アルバムとしての構成が非常に良い、と言う事。
フルアルバムを出すのは約3年ぶりですが、前作は全9曲というコンパクトな作品だったのに対し
このアルバムは全12曲。インストもない。なのに、一曲一曲の質の高さや練られた曲順等で
今までの作品と同じくらいつるっと聴けてしまう。
これがとても良い部分です。個人的に「リマ」「どこでもないところ」の役割は大きいと思う。
正にアルバム一枚通して聴かせる為の曲たち、というか。
勿論ディープさも同様にして保っています。
相変わらず、変なバンドです。「旧市街」なんて複雑すぎて思いついてもやらないような曲。
を、キャッチーな名曲としてプレイしてしまうのだから凄いというか。
その他にも刺激的なアンサンブルを聴かせる3曲目、ポエトリー含む11曲目などふり幅が広い楽曲が詰まっているのだが
重要なのは、どの曲も総じてポップな楽曲、ということ。
だからこそ複雑なアンサンブルや、いきなりの転調があっても、良い感じに聴けてしまう。
そして、今回は全体を通してメロディーが良い!
ここ最近はバンド演奏に拘ってる部分が大きくて、それもまた良かったけど、今作の特徴として大きいのは
やっぱり基本的なメロディーの良さ。
丁寧に作られたそれと、波多野特有の曇りのない声が合わさって美メロ好きには堪らない一作になっている。
そこに前述の楽曲構成だったり、相変わらずよく分かるようでよく分からない、絶妙な詞が良いスパイスになっていて。
ただ整ってるだけじゃない、というか。
真っ当にオルタナティヴなアルバムに仕上がってると感じました。
今回は楽曲のタイトルが地名になっている。それと曲自体の関係性とか、楽曲同士のつながり等は
具体的にどうこうってのは言及出来ない感じになっていて。
でもだからこそ想像して楽しみたいです。それぞれの解釈で良いと思う。そういうバンドだとも思う。