ここまでに築き上げられたエモのエッセンスを極限まで凝縮させた音楽だ。ただ、表現方法は既存のエモバンドとは少し違っている。繊細なピアノの調べに、ドラムとベースが強靭に地を固め、魂を削るようなボーカルを引き立たせる。ギターはほとんど主役になることはないが、実に効果的なフレーズを重ね合わせていく。間を重視した音作りの中から、自然に全てが雪崩れ込んでいくようなパートへの繋がりは正にカタルシスだ。単にヴァース・コーラスという流れではなく、外に吐き出さなければいられない、逃げ場のない感情の塊が心を打つ感覚。カオスティックな美しさ。映画音楽のようで、これ自体が映像をイメージさせるかのような奥深さ。全てを掴み取ろうとするのではなく、ただ流れに身を任せるように聴いてほしい。
イントロ#1/voiceの静かなピアノの調べが一瞬止み、静寂の中から言葉が紡ぎ出されていく#2/calm americansのオープニング。次第に熱がこもり、喧騒の中でピアノのアルペジオが消えていく頃には、これがとんでもない名曲だという予感が浮かぶだろう。同テイストの#3を挟み、非常にストレートな歌が聴ける#4/drive on to meへ。この曲ではノイズギターが大爆発。朗々と歌い上げるボーカルの後ろでしっかりと存在感を見せている。各曲共にメンバーそれぞれのイマジネーションが溢れた、複雑で聴きごたえのあるアレンジも見事だ。エモの決定盤。