まずビックリしたのは映像が美しい事。汗を吸って色の変化したギターの指板まで確認できます。それ故にすっかり太って年を取った彼らを高画質で確認する事になるのですが。しかしかっこいい年のとり方だ。凄腕ミュージシャンと言われ続けてるのは伊達じゃない。
ライブ前の楽屋裏から始まり、falling in betweenの演奏開始と同時に幕が下り、遠巻きのカメラアングルで演奏中のメンバーと共にタイトルがバーン!と出てくる演出。いや〜かっこいい!
全体の音量バランスを見るとルカサーのギターが大きいが、これもバンドリーダーがすっかり定着した証か……。過去のライブに良く出ていた黒人女性コーラスはいなく、今回は男くさいライブだが、基本的に演奏兼コーラスでコーラス専属メンバーは今回はいない。個人的には最後の最後でデビュー当時の男くさいロックバンドに回帰したような印象を受けた。グレッグ、スクラー共、このバンドに歴史の浅いメンバーも、彼らのインタビューや演奏する姿を見ると、彼らなりにTOTOというバンドに愛情を持っているのが窺えるし、後期のバンドを牽引したサイモンなど尚さらだろう。TOTO'WのTシャツを着て楽しそうにドラムを叩くサイモンを見ると、ジェフの後任として認めたくなるし嬉しくもなる。グレッグもソロのラストでお馴染みのメロディーを弾いて観客の心をガッチリ掴んだ。
本作の何が良いかというと、過去のライブにあった「ちょっとしたガッカリ感」が無いのだ。過去のライブはS・ポーカロの不在、ボーカルの交代劇、編成が少ない為のガッカリ感があったのだが、グレッグがペイチのパートを再現し、スピナーのコーラス、それでも足りなければサンプリングを使い、音の薄さを全く感じない。オリジナルメンバーが少ないのにここまで素晴らしいとは思っても見なかった。「kingdom〜」以降の曲も多く演奏されており、後期のアルバムに良い印象の無い人にも本作を見れば印象が変わるのでないか?一緒に口ずさむフランスの観客達、シンプルな循環コードの「don't chain my heart」を聞いていると、いろいろ言われても彼らは正しかった、と僕はそう思ってしまう。
本作、現時点でTOTOの最後のライブ。正直、ここまで満足出来ると思いませんでした。超ー!お勧めです!