ようやくFacebookマーケティング実務書の登場である。これまでのFacebook本の多くが概念的に流れ、日本での事例紹介も少なくて、マーケティング&広告宣伝担当者にとってはFacebookを使いこなすための情報が不足していた。Facebookへの過剰な期待とは逆に実践的なノウハウは欠乏していたのである。しかし、本書には実務者の疑問への答えが具体的に記されている。マーティングコンサルタントである池田紀行氏の執筆・監修だけあって、マーケティングの流れに沿ってFacebook活用の方法が紹介されている。
マーケティング目標を達成するための「手段」として広い視野からFacebookを位置づけているところが優れている。ソーシャルメディア全体が俯瞰できるのもありがたい。日本の現状におけるFacebookのメディアとしての強みと弱みを指摘している。Facebookの特徴である、ユーザー属性がわかるのでターゲットごとに訴求できる、中長期的なファンづくりに適している、効果データが詳細に入手できるのでPDCAが実施できる、等の強みを生かしたマーケティング手法が具体的に述べられている。また広告目標を明確に設定しKGIとKPIを測定しながらPDCAを回すことの重要性が強調されている。あくまで「広告目標を達成するためにFacebookを活用すべし」との著者のマーケッターとしての姿勢が一貫している。
最後の章に9社のFacebookの具体例が紹介されている。インタビューに答えて各社の担当者がFacebookの活用法を語っているが、それぞれに異なっているのも興味深い。
本書は、マーケティング成果を上げるためにFacebookを使いこなそうとする実務者にとっての必読書であろう。