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FUKUSHIMAレポート〜原発事故の本質〜
 
 
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FUKUSHIMAレポート〜原発事故の本質〜 [単行本]

FUKUSHIMAプロジェクト委員会
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (23件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

福島第一原子力発電所の事故を、完全な第三者の立場から調査・分析し、そこから得られる教訓を後世に伝える。この目的で発足したのがFUKUSHIMAプロジェクトです。事故直後に企画が生まれ、2011年4月には委員会が発足しました。以降、9カ月に及ぶ活動の成果をまとめたのが本書です。その内容は、政府の事故調査・検証委員会が発表した中間報告書などとは大きく異なるものです。

本プロジェクトの大きな特徴は、活動資金の一部とレポート発行の費用全部を賛同者からの寄付金によってまかなっていることです。特定組織の意向や市場原理に左右されることのなく活動を進め、目的を達するための試みです。このため、委員は無給で活動を進め、書籍の印税も受け取りません。

【目次】
第1章 メルトダウンを防げなかった本当の理由―福島第一原子力発電所事故の核心
1・1 はじめに─何かが見逃されている
1・2 事故は、どのように起こったか
1・3 1号機は、どのように制御不能になったか
1・4 3号機、次いで2号機は、どのように制御不能になったか
1・5 5月15日の豹変
1・6 日比野靖の証言
1・7 JR福知山線事故との類似性
1・8 何があきらかになり、何をあきらかにすべきか
1・9 おわりに─新しい曙光に向かって
第2章 3・11に至るまでの日本の原子力安全規制 ─国はなぜ「全交流電源喪失を考慮する必要はない」としたのか
2・1 事故を防げなかった国の安全規制
2・2 すべて想定されていた
2・3 国策民営体制─責任の所在が不明確
第3章 日本の原子力政策─核兵器製造力とエネルギー自給を高速増殖炉に託す
3・1 核兵器製造のポテンシャルを保持する
3・2 高速増殖炉によるエネルギー自給に固執
3・3 核燃料サイクルと再処理
3・4 放射性廃棄物の処分
3・5 日本の原子力政策への提案
第4章 原発が地域にもたらしたもの
4・1 米国─中央─地方─ムラ
4・2 原子力は雇用増と所得増をもたらす
4・3 原発依存症─原発なしには、立ち行かない経済
4・4 原発立地─近年は既設発電所敷地内の増設が主流
4・5 放射能被害
4・6 これからの原子力政策と原発立地地域の今後
第5章 風評被害を考える
5・1 風評の恐ろしさ
5・2 各種メディアの取り上げ方
5・3 打ち手としてのWall of Shame(恥辱の壁)
5・4 「検証屋」機能のトライアル
5・5 別の可視化装置
5・6 総論としての日本論
第6章 電力事業における原子力発電の位置
6・1 そもそも発電コストパフォーマンス論
6・2 原子力発電のコスト
6・3 電気料金の決め方─総括原価方式
6・4 原子力損害賠償スキーム
6・5 発送配電分離
6・6 人口の減少とエネルギー需給
第7章 原発普及の今後
7・1 原発普及は先進国から新興国へ
7・2 原発の安全保障上の役割
7・3 新興国が電力の未来を決める

著者について

FUKUSHIMAプロジェクトは以下の委員によって構成されています。
水野博之<大阪電気通信大学副理事長、松下電器産業元副社長>、山口栄一<同志社大学ITEC副センター長>、西村吉雄<早稲田大学 大学院政治学研究科客員教授>、河合 弘之<弁護士、さくら共同法律事務所パートナー>、飯尾俊二<東京工業大学原子炉工学研究所准教授>、仲森智博<日経BPコンサルティング チーフストラテジスト>、川口盛之助<アーサー・D・リトル(ジャパン)アソシエイト・ディレクター>、本田康二郎<同志社大学ITEC リサーチ・コーディネーター>

登録情報

  • 単行本: 500ページ
  • 出版社: 日経BPコンサルティング (2012/1/30)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4864430004
  • ISBN-13: 978-4864430005
  • 発売日: 2012/1/30
  • 商品パッケージの寸法: 18.8 x 13 x 4.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (23件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
32 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
Amazon.co.jpで購入済み
第三者の立場から事故を総括する。これは、責任問題や政治的な立場から極端な言論が目立ちがちな原発事故への多くの論評に不満を抱えていた我々がまさに必要としていた仕事だ。このプロジェクトを無報酬で成し遂げた関係者に敬意を表するものである。

本書では、国内外の既存メディア、政府の調査報告から距離をたもちながら、膨大な文献の中から確認できるデータだけを基に論考を進めている。日本という国の特性や置かれた立場への考察も交えられている。なぜ事故が起きたのか、なぜ事故の悪化を阻止できなかったのか、また日本の原発はどのような道をたどって現状に行き着いたのか、そもそも原発とはなんなのか、そしてこれからどうあるべきなのか、私なりの認識の根幹を本書は作ってくれた。

これを読めば「全て」がわかるわけではないが、事故以後にたくさん刊行された関連書籍の中で何を読めばいいかと迷っておられる方に、最初の一冊としてお勧めしたい。
このレビューは参考になりましたか?
47 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
Amazon.co.jpで購入済み
FUKUSHIMAレポートの一節を紹介します。

2011年3月12日土曜日の事だった。
 中略
この日の夜、2号機と3号機に海水が注入されていたら、この2つの原子炉がアンコントローラブルになることはなかっただろう。
 中略
なぜ、「海水注入」は遅れてしまったのか。
 中略
それは、これまでマスメディアが報道してきたどの主張とも似ていない。
それを一言でいえば、「遅れたのではなく、遅らせた」ということだ。
東電が12日「制御可能」な時点での2号機と3号機への「海水注入」を
意図的に拒んだのである。
 中略
実は菅直人総理大臣は12日に早期の「海水注入」を求めていた。
しかし、その場にいた東電の代表者はそれを拒む。
もちろん、頭から拒絶するほど傲慢ではなかった。
それらしい技術説明を交え、早期に踏み切る妥当性をやんわりと否定してみせたのだ。
 中略
法律によれば、菅には、それ以上の現場への介入が許されていなかった。

引用終わり

なんと衝撃的な書き出しだろうか。
除染しきれない街を除染という名目とともに、十分補償せず、
住民の被爆は継続している。

海外では日本の政治を、”人命軽視”、”人権蹂躙”と報道している。

東日本大震災という天災と、原発事故という世界の歴史上でも最大級の”人災”を正しく見つめて行かなければ、
日本はやっぱり”エコノミックアニマル”なんだと言われかねません。
また、この書籍では原発だけでなく、企業がどうあるべきかに言及している書籍でもあることを
知って欲しいと思います。
このレビューは参考になりましたか?
19 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 無覚 トップ1000レビュアー
Amazon.co.jpで購入済み
本書より後に出た『福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書』には空白がある。それは1号機海水注入の3/12夜と2号機海水注入の3/14夜の間の2日間である。首相官邸内部の動きを緻密に追って話題になった同書だが、この2日は83ページ(3/12夜の記録)と84ページ(3/14夜以降の記録)の間に消失しているのである。もちろん原子炉の状況を記した別のページにはこの間の記述もあるが、そこには「○時○分海水注入」といった事実が記されているだけで、なぜそのタイミングだったかはほとんど記されていない。

この『FUKUSHIMAレポート』の第1章はこの空白の2日間にスポットを当てる。急造の内閣官房参与(事実上、当時の菅首相の私的アドバイザー)として関わった日比野靖のインタビューによれば、この2日間、菅首相は1号機だけでなく3号機・2号機にも早急に海水を注入するよう主張し続けていたが、東電は言を左右にして同意しなかったという。日比野と第1章執筆者の山口栄一は、それは東電経営陣が廃炉を避けようとしたためであり、早急な海水注入を行っていれば3号機・2号機のメルトダウンは防げた、という見解で一致する。
これは、事実とすれば、山口が言うように刑事告発の対象になりえる過失犯罪であろう。

本書と『独立検証委員会報告書』の違いは端的にはここに表れている。

この2日間を空白にした『独立委員会報告書』が「東電寄り」といったことでは、おそらく、ない。
東電は独立検証委員会のヒアリングに応じておらず、同委員会としては欠席裁判は避けたのだろう。東電発表をそのまま掲載したりせず、あえてほぼ空白にしているのだ。山口の主張が正しければ、東電が独立検証委員会のヒアリングを拒否した最大の理由はこの空白の2日間にあったのではないかとさえ疑われる。
独立検証委員会は、欠席裁判をしないという前提があるからこそ、300名もの関係者にインタビューし、インタビューに応じた関係者に対する批判を含めた報告をまとめることが可能だったのではないか。
これが独立検証委員会の強みでもあり、弱みでもある。

この『FUKUSHIMAレポート』は日比野靖へのインタビュー以外はほぼ公開情報の分析のみによって成り立っている。だからマスメディアを喜ばせるような新事実はほとんど含まれていない。しかし、そうした形態だからこそ、独立検証委員会が成し得ないところまでの指摘を行うことができた。

政府の議事録が残っていないような状況では、真相が表に出ることは永久にないかもしれない。だが、このような合理的な疑惑の余地があるという認識を世が持っておくことには意義がある。

二つの「報告書」の成り立ちは全く異なるが、両方ともが必要な書なのだと思う。
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