ラッパーBoss The MCとトラック・メイカーO.N.Oから成る、札幌発のTHA BLUE HERB。彼らの放つ攻撃的なメッセージには、ネガティヴィティなど存在しない。北の地から自らを誇示するもの/弱気なヤツに対する容赦無い批判/決してコビを売ることのない、ハングリーかつストイックな生き方――それらは、コトバを複雑に組み合わせたリリックで表現され、まるで難解な小説を読んでいるかのような錯覚に陥… AmazonのBLUE HERBストアで詳しく見る
『SELL OUR SOUL』の先行シングルとなる本作は、シングルとはいえかなりの濃いできばえ。アルバムへの新たな決意表明「TRANS SAPPORO EXPRESS」、業界への痛烈なアンサー・ソング「A SWEET LITTLE DIS」、『SELL OUR SOUL』の中核である「路上」の風景へと連なる「3 Days Jump(2001年地球の旅)」。声高なアンセム・強烈なディス・文学的な随想といい、これはある種コマーシャルなTHA BLUE HERB像への回答といえる。サウンドにはやや『SELL OUR SOUL』のアブストラクトな要素が広がりつつあるものの、「時代は変わる」や「アンダーグラウンドvsアマチュア」などの流れを汲んだ過激でキャッチーなリリックとフロウは、多くのリスナーが彼らに求めていたものであろう。アルバムへの期待感を持たせるには格好のシングルといえる。しかしこれはあくまで『SELL OUR SOUL』の門を開くための序章に過ぎない。
「ラッパーは芸能人ぽく丸くなった」復帰作1曲目で吐き捨てるようにBOSSは言った。帰ってきて日本のHIP HOPの第一印象がそう見えたのだと思う。新しいネタと新しい音を携えて帰ってきて、ますますTBHはよくなったと思う。A SWEET LITTLE DISでは1曲丸ごと日本のHIP HOP全体を切り、3 DAYS JUMPでは自分の世界の旅を巡る。