他の方も書いていらっしゃいますが、相変わらず手に入れるまでがハラハラさせられるシリーズです。
1巻からリアルタイムで読んでいる身としては、将来完結した後にこの作品に出会う方がうらやましいです。
愛というもの、そしてその表現の仕方の多様さに引き込まれる14巻でした。
愛は、絆を生みます。もしくは、愛は絆そのものだと言えるかもしれません。
カイトとジェフリーの絆だけでなく、この巻には様々な絆があふれていました。
カイトとナイジェルはもちろんですが、ナイジェルとジョー、ルーファスとジェフリー、キットとジェフリー、そしてリリーとカイト。
あまり出てきませんが、サムもリリーと深く絆を結んでいるはずです。
ラウルとファンを結ぶものも、ある意味絆かもしれません。
14巻の時点で一番複雑な絆を結び、愛し合っているのは、ジェフリーとナイジェルだと思います。
そう、この2人もまた、愛し合っているのだと思います。BL的意味ではなく、他の誰も真似することのできない絆で二人は繋がっています。
ジェフリーは、自分の財産の全てをナイジェルに託しています。
それは、身内にさえ(身内だからこそ?)簡単に頼めることではありません。
信頼という言葉などとうに超えた、得難い稀有な関係です。
前巻もそうでしたが、14巻にも、大きな戦いや歴史上の人物との謁見はありません。
海賊ものだということを忘れてしまいそうな地味な1冊です。ついでに、BLだということさえも忘れてしまいそうです。
しかし、皆が苦しみながらもそれぞれ互いの絆を確かめ合う様子が、この1冊にぎゅっと詰め込まれています。
この巻までは、ある程度内容を予想しながら進むことができましたが、15巻は全く内容が予想できません。
この発刊ペースに耐える日々は、きっと私達の心を鍛えてくれるでしょう。と、松岡風に締めくくります。