ジェフリーにナイジェルにビセンテ。
3人の魅力的な男に愛される主人公(海斗)……と書くと、ご都合主義の逆ハーのように思えますが、そうならないところが素晴らしい松岡節だと思います。
海斗は、その愛情を受ける幸せを感じる余裕も無いほど現在進行形で苦労していますし、かと言って悲劇の主人公ぶってジメジメと嘆く暗さは持ち合わせていません。
何より海斗の性格に嫌味がありません。
キットの「時々ムカつくんだが……優しいんだよな」という言葉に、妙に頷いてしまいました。今後の海斗の成長がとても楽しみです。
さて、この13巻にてストレプトマイシンによる治療の必要性が指摘されたことと、「海斗を生かすために海斗を手放す」というテーマがジェフリーにもたらされたことが、今後海斗が一旦あるいは永遠に未来に戻る展開を暗示していると思います。
もちろん松岡さんは、読者がどんな展開を望んでいるか分かっているはず……(・∀・)
ある程度読み手側が望むとおりの結末に導いて、我々をホっとさせて欲しいものです。
彼女のこれまでの作品を見ている限り大丈夫だと信じていられますが。
しかしながら、松岡さんは凄いですね。
この小説は、単なるタイムスリップものやBL小説という枠を超えています。
本当によく調べているというか、細部にまで凝っているというか。
歴史上の人物が非常に生き生きと描かれていて、そこがたまりません。
12巻からイラストが彩さんに変わりましたが、もう素晴らしいの一言です。涙でそうです。
雪舟さんが築き上げた、これまでのキャラクター達の魅力を活かし、新たな魅力を加算してくださいました。
発行ペースもぐんとUPして、今後の更なる期待を誘う13巻でした。