全38話です。幽戸玄太(かすかべげんた)氏、初の実話怪談本となります。黒木あるじ氏のように、またもや平山氏が発掘してきた方のようです。
恐怖箱 超−1怪コレクション 金木犀 (竹書房恐怖文庫)の帯によると、実は別の名義ですでに活動されている方・・・なのでしょうか? 幽戸氏の文の特徴は、著者と取材対象者とのやり取りが多分に含まれていることが挙げられると思います。なので、著者自身の考えなんかもよく出てきてこれもなかなか読んでいて楽しかったです。
是非とも、今後は集めた怪談を一人で楽しまず多くの人の目に触れさせてほしいものです。
個人的にオススメは、
黒い水の池
鬼の卵
走る亀
絶倫の男
彼氏怪談
娘の声
理詰めの男
人じゃない
いちびり
とりかえっこ
田舎のカバ
青い顔
そそのかす女
ビジネスチャンス
お化け撃退法
楠志町のマナコムツ
です。結構あっさりした話が多いかもしれません。レビューを書き始めたときは☆4にしようと思っていたのですが、レビューを書いていると「あれ? そういえばこの話おもしろかったし、これも良かったな」と後からジワジワおもしろいと思えてくる作品でした。
〈理詰めの男〉は最高ですね。相手の限界に挑む姿勢が最高でした。最後は逃げられた感がありますが。
そして、〈楠志町のマナコムツ〉は徐々に自分の周辺にも異変が起こり始めたり、怪しい取材対象の人々等、小池壮彦氏の〈リレー写真〉にも似た気持ち悪さが伝わってくる傑作だと思います。