基本的には、数ページで一話完結のショートストーリー集に、小池氏のリズムのある文体も相まって、テンポ良く読むことができます。都市の猥雑性そして、そこに蠢く得たいの知れない何かを、小池氏のリズムのある文体によって、見事に表現されており、オカルトという枠を超えて、一つの読み物としてもとても面白かったです。、
多くの人間が出入りする都市や建築物には、自然に路地裏や横丁、さびれた雑居ビルなど、闇ができる。そしてそこで起きる事件、誰もが一つは持っているエピソード、いつか忘れ去られる噂話、日常の底に沈殿している非日常性、ドラマ性が非常に上手く表現されています。昭和テイストとのレビューもありましたが、言いえて妙、むしろそれもいい味わいを出しているように思います。
とても怖い話をあえて仰々しくせず、ルポのように客観的に述べているのですが、それでいて事件の情景などに対する臨場感がたっぷりで、小池氏の作家としての文章表現力の高さも感じました。オカルト嫌いの方でもゆるいサブカル本が好きな方にはおすすめです。