平井堅、実に3年3ヶ月ぶりとなるニュー・アルバム。そんなに経っていたのか!と思ったのだが
よくよく考えればベストも出してたし、シングルのリリースもコンスタントに切っていたので
そこまで待った、という気もしないというのが個人的な印象。
そんなわけで日本が誇る純度の高いポップ・メイカーの期待の新作はいかに。
かなりベスト度は高い。というのも05年の「POP STAR」から全てのシングル、またはカップリングがはいっているので
当然といえば当然なのだが、それでもアルバムの流れがキチンと出来ているのは流石である。
前述の「POP STAR」から一気に広がるキラキラした世界観と小気味の良いビートが鳴り響き
そのままアップとバラードを重ねて一気に親への感謝を歌った「写真」へ辿り着く。
或る意味、コンサートを意識した楽曲構成ともいえる気持ちのよいアルバムである。
基本的に自分は平井堅はアルバム・アーティストだと思っている。
シングル単体では伝わりきらない情報や感情などがアルバムで聴くと鮮明になる感じがして。
それと同時に、彼の音楽を軽視している人たちもアルバムで聴いてもらえば余裕で引き込めると思う。
あと、このアルバムでは同じ曲調が2曲続く事が多い。アップ2曲のあとはバラード2曲という風に。
「POP STAR」「君はス・テ・キ」のあとの「君の好きなとこ」「キャンバス」や、
「Twenty!Twenty!Twenty!」「バイマイメロディー」のあとの「いつか離れる日が来ても」「写真」のところなど。
こういう同じ曲調をあえて被せ被せにするという構成はあまりないので新鮮だった。
そして曲調自体もほぼアップテンポとバラードの2パターンで構成されてるのも面白い。両極化というか。
そして3年という月日のせいか、ブライトな曲とダークな曲の差が激しいのが面白い部分だ。
例えば「〜生まれ変わる旅がはじまる」というフレーズが大好きな「バイマイメロディー」なんかは
イケイケのポップチューンで取材のときもなかなかに明るい感じであったのだが
「fake star」という曲はむしろ人間の汚い部分を真正面から描いた曲になっていて、
しかもその時の雑誌の取材では現在の音楽シーンに対する不満や怒りを見せていた。
ちなみにこの間、約1年であるがその期間でこうも気分が変わるのも珍しいが、それに蓋をせずに
敢えてそのモードでいくという姿勢は個人的にとてもピュアでいいと思う。
キラキラもドロドロもたっぷり詰め込んだ豪華絢爛な7枚目のアルバム。
今まで彼に興味が無かった人もこのアルバムを聴けば好きになれるんではないだろうか。
ちなみにTVのインタビューで「次は平井堅に興味がない人も興味を示すような作品を作りたい」と
いった趣の発言をしていたので、これからの動きにも注目したい。