懐かしくなり久々に聴いてみたが、洋楽ばかり聴いていた耳にも、10年経った今でもほとんど古臭さを感じない。
特にoverdoseからFACES PLACESへの展開は秀逸。97年当時、J-POPでこれ程の音の厚みとコアな要素を含みながら、それでも一般ウケするような曲調に仕上げたことは驚きだ。M6の導入のグルーブ感は今聴いても新しい。
セールス狙いの作品とも思われがちだが、随所にインストゥルメンタルを入れたり、アルバム全体の曲調も暗めに抑えられていたりと意外にもストイック。シングル曲をアレンジしたのは作り手として賢い判断だったと評価できる。
これ以降ボーカルの質は徐々に下がっていくが、サウンドメイキング、ミキシング、演奏と全てが驚異的な高みで結実しており、おそらく何かひとつ欠けてもこの作品は生まれなかっただろうと思う。
現在の「全部同じに聴こえるJ-POP」で満足している世代に、せめても聴かせてやりたいとすら感じる。
改めて小室哲哉を見直した1枚。90年代の名盤だろう。