彼らのサウンドは、おおまかに書くと、アフリカン(中東)アートロック、サイケデリック、トランスなどのダンスミュージックのごった煮のようなもので、
前作では不穏な空気に覆われたダンスミュージックとサイケデリックジャムが混在した
力強くダンサブルなサウンドを鳴らしていた。
そして今作は、ネットで先行公開されていた11分超えの大作「グラスジャー」で幕をあける。
冷たい水のような、透明感のあるシンセサイザーの音色が何重にも重なり、
シンバルが風に吹かれてさざめくのを聞いていると、
このシンフォニックなアンビエンスは徐々にビルドアップしていき、
後半にはトランシーなシンセリフが入ってきてリズミカルなポップチューンに変わる。
涼しげで風通しの良い、エモーショナルなこの曲が、アルバムを通してのムードを象徴している。
前作に比べて今作では、ほぼ全ての曲で歌が入っており、
アルバムの曲自体がエモーショナルでポップに洗麗されてるのも特徴的。
リズム面では前作と比べて、ダンサブルからリズミカルになった印象。
リズムありきでは無く、曲にマッチしつつも思わず体を揺すってしまうような感じ。
とはいっても「マインドキラ―」ではサバンナで行われてるレイヴパーティーに迷い込んだような
下品な(褒め言葉)ダンスチューンをやっていたりもするけど。
あと、他にも「チャイニーズ・ハイ」のようなユーモラスな電子音を使った曲があって
この曲などは聴いていると、誰もいない午後のリゾートビーチに寝転がって
気持ち良くリラックスしている絵が浮かぶ。
今作では、前作にあった不穏なムードが取り除かれ、
涼しげで洗麗された無国籍ポップが、聴く人を47分間の旅に連れて行ってくれる。