ビル・エヴァンスの残した音楽が大好きでよく聴いています。アルバムごとに奏でられる魅力が違っていますので、どれを聴いても慈しみたいような美しい演奏が沢山あります。
「イスラエル」「魅せられし心」「ビューティフル・ラヴ」「エルザ」「ナーディス」という曲の配列がいいですね。緩急の組み合わせと3人の持ち味を生かした演奏がこのアルバムの良さでもあり、高い完成度を誇っています。オリジナルには収録されなかった最後の「ボーイ・ネクスト・ドア」もオススメです。
ビル・エヴァンスの全篇を通じて奏でられる抒情溢れるピアノは、他のアルバムにもましてデリケートですし、研ぎ澄まされた感性が繊細で美しすぎるほどです。ビル・エヴァンスのリリカルなピアノに、雄弁にからむ対位法的なメロディ・ラインを構築していくスコット・ラファロのインタープレイが秀逸です。
音楽的には、一定のコード進行の展開を決めながらも各人がそれぞれの呼吸を読むが如く絡んでいく様は、即興芸術とも言えるアド・リヴの極致とも言えるプレイを随所で聴くことができます。ポール・モチアンもソロ部分になると完成度が落ちますが、トリオでの役割をとても理解しながら巧みなブラッシュワークをいれ、音楽を引き締めています。
スタンダードな曲を、まるでビル・エヴァンス・トリオのオリジナル曲のように自家薬籠中のものとして奏でられたこれらの曲を聴くことができる喜びに浸ってください。ステキなジャズとの幸せな出会いを感じて・・・・。