カナダを代表する歌手、ロン・セクスミスの最新作です。"Cobblestone Runaway"(2002)と"Retriever"(2005)でも組んだマーティン・テレフェをプロデュースに迎えてのアルバム。今回はホーンを加えた事ばかりが話題になっているようですが、ロンがワールド・ミュージック風のアプローチを試みたという事ではなく、ホーンは音楽の控えめなサポートといった程度でそれほど違和感はないものです。ちなみに録音の大部分はロンドンのテレフェのスタジオで行い、テレフェのアイディアで急遽キューバに渡りホーンを加えたとのこと。ロンもびっくりの提案だったようですが、その直感を信じるほど信頼関係が出来上がっているということのようです。
個人的にはアルバムを聴いてまず驚いたのは、初めと最後の曲がピアノを中心としたインストだということでした。またこのアルバムではいつもよりピアノの比重が大きいですね。ロンはピアノで作曲することが多いらしいですし、自然なことなんでしょう(「(キーボード奏者の)ミッチェル・フルームの前では(恥ずかしくて)ピアノが弾けないからねえ・・・」と言ってますから、ミッチェル・フルームと組むときはピアノを敢えて避けているのかもしれませんね)。全体的にはいつも通りの優しいサウンドで、例によって地味です。ロンのアルバムを聴いてすぐに気に入ったことは実はこれまで一回もないんですが、いつも気がついたら大切な一枚になってますから、今回も多分そうなると思ってます。
いつも日本盤にはボーナス・トラックが入るので待とうかとも思いましたが、本作は今のところ日本盤リリースの予定がありませんね・・・。輸入盤はデジパック仕様で来年7月まで限定で1曲ボーナス・トラックをダウンロードできるパス・ワードが封入されていました。