イーノが作曲&プロデュースで絡んでいると、全曲ボーカル曲だということ自体が一つのニュースになってしまうという不思議。内容的には「オルタナティブ」という形容は個人的には「?」で、カントリーやゴスペルの風味が効いたオーソドックスなアメリカン・ギターポップという印象です。ただ、D.バーン特有の呑気かつ伸びやかな歌声、イーノの絶妙な空間処理が冴えているので、やっぱり二人の個性は強く感じられます。点を削った理由は、イーノの書くボーカル曲のメロディって、個人的には真正面なポップ過ぎて引っ掛かりが無いからなんです。彼の他のボーカル・アルバムがOKだったリスナーは、普通に四つ星以上はつけるでしょう。
そんな僕にとって収穫だったのは、プロデューサーとしてのイーノの力量が再確認できたことでしょうか。遙か昔、U2「ヨシュア・トゥリー」でプロデューサーとしても一般的知名度が広まった彼ですが、その実あのアルバムでイーノが実際どう凄かったのか、ていうのは僕は今ひとつピンときてなかったんですね。でも、本盤3曲目の深い広がりを持ったギター・ロックの処理を聴いて、イーノがいないとU2のあのアルバムは確かに無かったんだなということを、ちょっとはずかしい話ですが今更ながら再確認しました。
またD.バーンがメロディを書いていたのかと勘違いしていたくらい、彼の声がメロディにハマッてます。相性の良い二人なんでしょうね。