1991年からヨーロッパの主要都市を舞台にベルリンフィルが行っているヨーロッパ・コンサート。2004年はギリシャのアテネから、演目はブラームスのピアノ協奏曲第1番とピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)です。
ピアノ協奏曲ではバレンボイムをピアニストに迎え、この年ヨーロッパコンサート初登場となるラトルの指揮するベルリンフィルは第一楽章の力強さ、第二楽章の甘美さ、第三楽章のスピード感を余す所無く聴かせてくれます。バレンボイムは随所にミスタッチ、指が追いついていないように聞こえる所もあります。しかし、そんなことが小さなことに思えるくらいに表現力豊かで、スケールの大きな演奏で曲が進むにつれ、聴く者をグイグイ曲の世界に引き込んでいきます。
2曲目のピアノ四重奏曲第1番はシェーンベルクにより管弦楽版に編曲したものですが、オーケストラならではの多彩で濃厚な響きを存分に味わえる曲に仕上がっています。例えばIntermezzoではクラリネットが奏でる主旋律をフルート、ヴァイオリン、オーボエ、オケースオラ全体の順番で輪唱するように曲が展開し、シンプルで優しい旋律が複雑で力強いものに変化していきます。またAndante con motoの出だしのハーモーニーは、この曲の中で最も印象に残る程、美しいものです。そして最後のRondoはまさに踊りだしたくなるような躍動感。
演奏の内容だけでなく、画質と音質も優れています。さらに嬉しいことにこのDVDはリージョンフリーです。2010年カタログ付き廉価版
Piano Concerto No 1 / Piano Quartet No 1 [DVD] [Import]として再リリースされたのも納得の1枚です。