フランスの山村にある小さな小学校の日常をたんたんと追うドキュメンタリー。3歳から11歳までの全部で13人の子供たちを35年教師をしているロペス先生がひとりで面倒をみている。
先生は勉強だけでなく、生きるうえで大切な善悪もきちんと教える。だが決して声を荒げて怒らない。子供同士がけんかしても何故そういうことになったのかきちんと忍耐強く子供の声を聞く。
ひとつしかない小さな教室で先生と子供たちが深い愛情で結ばれているのが前編を通して伝わってくる。
そして先生があと一年で定年のため学校をやめると子供たちに伝えるところはとても感動的だ。だれも何も言わない。でもそのひとりひとりの子供たちの表情には不安と困惑が素直に表れている。
役者にはとうてい表現すことのできない、子供たちの顔だ。
教育とは何か? 人と人が信頼しあうことはどういうことか?
今の日本が教育というものの本質を忘れつつあることをこの映画は
思いださせてくれる。
付録でついているニコラ フィリベール監督のインタビューもとても興味深い。子供たちと映画のスタッフたちとの信頼関係なしにはとてもありえなかったと思われるシーンが随所にあったが、そのあたりのことにとても
心を配ったフィリベール監督がとても好きになった。
そしてこういうドキュメンタリー映画を200万人近い人が観たという
フランスという国。 ちょっとかなわないかなぁと思った。